全ての持ち物が無くなって思ったこと、感じたことまとめ

二ヶ月ほど前に強盗に遭い、全持ち物が服だけになりました。そこで感じたことなどをまとめて書きたいと思います。

minimalism

強盗に遭った後はとりあえず着の身着のまま日本に帰国しました。空港からは友人が付き添ってくれ、彼の実家に5日間ほど泊めてもらいました。

その後、彼の両親にご飯をご馳走していただき、彼の服を借りて床で寝ました。
その間にクレジットカードやネット関係の保険、紛失手続きをして、なんとかなりました。

生きていくのに必要なものも持っていなかったので、Amazonのほしい物リストを公開したら数日でほとんどのモノを読者の方にプレゼントしていただきました。本当にありがとうございました。

その時に気付いたのですが、人生に本当に必要なものなんて本当にごくわずかだということでした。

欲しいものリストをネットで一週間公開するくらいでそろってしまう。
その後、いろいろな人がご飯をご馳走してくれて、毎晩のようにいろいろな話をすることができました。

なので、モノや金が無くなっても人生どうにかなるどころか、逆に有意義になって面白かったです。笑

そして今回の一件で一番つらかったもの、それはお金でもモノでもないものでした。

例えば僕は音楽が大好きで、家にあった何千枚というCDがどうしても手放せなかったのですが、ある日決心してそれを全部パソコンに高音質ファイルとして取り込んで、断舎離をすることにしました。

そのデータが全部盗られてしまったのが、何よりつらかったです。またとても高かった音楽制作のソフトが無くなってしまったのもつらかった。

毎日、あったことを話すと「俺だったら絶対立ち直れない」とか言われたんですが、本当に人間生きていればどうにかなる。と実感しました。失った分は必ず倍以上になって戻ってくる気がする。

長いこと会っていなかった友人に久しぶりに会ったらいつのまにか彼が社長になっていて、夕飯をご馳走になりました。そのときに高級クラブに人生経験で連れて行ってやるという運びになり、断ることもできなかったので1時間ほどいさせてもらったのですが、何が良いのか本当にわからなかった。

みんな家族がいても家族に飽き、風俗にいっている人がいっぱいいた。聞くと日本のほとんどのサラリーマンがそうであるという。これは海外でも同じだ。特にアジア在住の日本人男性の無法ぶりはひどい。国が変わってもやることは同じである。

かといって彼らは自分の人生に興味があるわけでもないようだ。家族と楽しい時間を過ごしたり、休暇を楽しんだり、旅行したり、読書をして自分の知識を増やす時間もないため、毎晩飲みに行いくか風俗に行くしか無いらしい。よって知識や経験も増えないため部下の社員にも同じことをさせる風土を構築する。僕だったらこの国で仕事したくないなあ・・・と思ってしまった。

もっと経験や知識に投資すればいいのにと思った。語学を習うのでもよい、好きなアーティストのライブに行くのでも良い。本を読むのでも良い。とにかく自分が成長できることにお金を使ったほうがいい。できない一番の理由はお金を稼ぐときは必死に全力で稼ぐけど、使うときは何も考えずに使うからだと思う。使う時と稼ぐ時でお金の価値が10倍になるわけでもないのに。

ただでさえ終身雇用が無くなり個々のパーソナリティ性で稼ぐ方向にシフトしていくとされているこの時代に、この生き方は非常に危険であると思いました。選択の科学の中でシーナ・アイエンガーは最も危険な選択とは孤独の時間をとらずに他の文化を理解しようとしないことだと論じました。

また、ワーク・シフトの中でリンダ・グラットンは近い将来、世界の人間は超低賃金労働者と世界の好きな場所で住むノマドのような人間に二極化すると論じました。

この予測されている近い将来の中で、犯罪者よりもテロリストよりも最も危険な人間は無思考に陥りモノに依存してルーチンワークを行っているものだと僕は思います。

ただ、そんな事言ってもどうすればいいのだと言われそうですが、一つの解決策として視野を広げるということが良いかもしれません。

個人的には一年間海外に住んでみると良いと思います。平均寿命が80年だとしてもたった80分の1です。たった80分の1でも外に出ずに日本の思考で積み重ねられた常識というモノサシで、全ての物事を判断することは実は危険な行為かもしれない。

なおかつ日本人は明日食べるものもなく月給1000円も満たず暮らしている民族ではありません。世界でもトップクラスに恵まれている国です。こんなチャンスがあるのに自分には無理だと思い込んでいるのは少しおかしな話です。

別に全国民にそうしろと言っているわけではありません。その暮らしがいいというならそれでいいですが、不満を抱えているのなら考える価値はあるのではないでしょうか。
 

11 thoughts on “全ての持ち物が無くなって思ったこと、感じたことまとめ

  • お久しぶりです。
    伊藤さんが一時帰国中に肘さんのミニマリストオフ会で少し話した子ども2人のミニマリスト、パパスです。
    結局登山用のラジオは伊藤さんおすすめのソニーのラジオになりました。
    ヘッドライトもペルツになりそうです。
    これからも、ミニマムなモノの紹介よろしくお願いします。

    • パパスさん

      あ、お久しぶりでございます。
      それはそれは良かったです!これからも伊藤流で紹介していきますので、
      ぜひ見て下さい。

  • いつもブログを拝見し勉強させていただいております。自分自身恥ずかしいですが雑誌、テレビの広告に踊らされ無駄な物への投資をしてきた事に最近やっと気づきました。
    伊藤さんのように物事の本質を見抜く為、日本を出てみる必要性を強く感じております。

    • かんちゃんのパパさん

      ありがとうございます。
      そうですね、少なくとも他の文化を見るということは必要かと思います。
      島国特有の偏りというものがありますので、それに気付かないのが一番怖いことだと思っています。

  • 伊藤さん初めまして。全くの同価値観です。そしてこのブログを立ち上げて大切なことを発信していただいていることに心から感謝します。伊藤さんありがとう!

    • 遠藤さん

      ありがとうございます!!本当に嬉しいです。

      誰か言わなければ絶対に変わりませんので、小さい力かもしれませんが、頑固に発信してきます。

  • いつもブログを興味深く読ませていただいてます。
    今回の記事はとりわけグッときました。
    私も一度海外で生活をしてみたいと強く思いました(実現できるかはわかりませんが、、、)
    これからもkoutaさんだからこそ書けるブログ、独自の目線の文章を心待ちにしています。

    • noyさん

      ありがとうございます。
      人一倍時間をかけているので、そう言っていただけると非常に嬉しいです。
      常識が変わるのが本当にわかるので、海外生活はおすすめです、本当に。
      これからも独自の目線で書いていきますので、ぜひ見てください!

  • 初めまして。
    ブログの内容を全て見させて頂きました。
    自分も海外で生活してみたいとずっと思ってましたがなかなか決意出来ずにおりました。
    しかしkoutaさんのブログを読み決意出来ました。ありがとうございますm(__)m
    自分なりに身軽に生き何が大切かを探そうと思います。
    本当にkoutaさんありがとうございます。
    これからもブログで発信し続けてください。ずっと見ますので!

  • 伊藤さん、今はどうされていますでしょうか。

    初めて伊藤さんのブログを読んだとき、自分の中の価値観が180度ひっくり返りました。
    自分が井戸の底で空を眺める蛙に過ぎないと痛感しました。
    このブログを通じてミニマリズムというものに出会い、不要なものをどんどん断捨離していったことで、生き方が変わりました。

    ミニマリストという生き方はあくまでも手段に過ぎないので、それに囚われたら本末転倒ですよね。

    伊藤さんがこれからどんなことを発信していくのか、楽しみにしています。
    ブログの更新、心待ちにしています。

  • 私は現在、海外赴任でインドネシアで生活しているものです。
    伊藤さんがおっしゃられている通り、日本人は家族がありながらも遊び惚けて無法っぷりが物凄いです。

    私はそれに付いていけず、距離を置いているのですが、上司からはそういうことをすることでその国の文化がわかる。お前だけしないとみんなの輪を乱すと見当違いなことを日々言われてしまいます。

    こちらでは相談できる人などいなかったのですが、この度伊藤さんの文章を読むことによって、間違っていないことを確信しました。

    その国の文化を感じることはもっと別なタイミングで可能であると考えています。
    せっかくの機会なので、この国の文化を感じ取って帰ろうと思います。

Kouta へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。