先日365日のシンプルライフと同じようなことを日本で10日間実施してみたので、レポートしたいと思います。
まずはじめに「365日のシンプルライフ」とは
フィンランドに住む青年が失恋を機に、物に囲まれた生活を一新すべく行った1年間の実験を追ったドキュメンタリー映画。全所有物を倉庫に保管、1日に1個だけ倉庫から持ち出し、何も購入しないことを1年間続けるというルール。身の回りにあふれる物との関わり方を考えさせられる。
そして今回行った「俺のシンプルライフ」とは
日本に住む青年がミニマリストのブログを作ったのを機に、物に囲まれた生活を一新すべく行った10日間の実験を追ったドキュメンタリー記事。全所有物を実家に保管、1日に1個だけ実家から持ってくるか店で買い、本当に必要なものは何かを知る企画。身の回りにあふれる物との関わり方を考えさせられる。
経緯
友人が転勤になりアパートを引っ越すが、前のアパートと新しいアパートの契約期間がダブってしまい、10日間だけアパートが2つある状態になる。新しいアパートには本当に何もないが使える状態。引っ越しの日は変えられないから、新しいアパートは10日間放置状態になってしまう。「ガスも水も電気も好きに使えるんだけど、お前よかったら使うか?」と言われたことがきっかけ。
これはやるしか無いだろうとその日に決め、実行しました。
ルール
とりあえず、ものを持たなければ良い。外食もしていいし、外で遊んでもいい。水道もシャワーも使っていい。
法律を守るため、パンツ、靴下、靴、シャツ、セーター、上着、ジーパンは着て、実家を出ました。また友人と連絡しないとアパートに行けないのでiPhoneも持って行きました。初日は歯磨きセットを実家から持って行きました。(歯ブラシだけは一日でもないのは耐えられないと思ったため。)
往復電車賃1800円なので、1800円以下のものは買う。1800円以上のものは実家から持って来る。
途中でiPhone充電切れたので、文字のみでの実況となります。
一日目
基本的に食事は外食をすればいいので、困らない。飲み物も普段水道水しか飲まないので問題ない。驚くことに一日目は本当に必要な物が思いつかなかったので、何も買わなかった。
しかし、僕は誤算をしていた。それは夜にやってきた。この真冬に布団も何も無いのは拷問に近かった。その日、アパート周辺の温度はマイナス4度になっていた。いくら室内でもこれは凍死するのではと思った。
だがそんな時、僕の目にふとバスルームが見えた。これしか無いと思い、僕は服をすべて脱ぎ、シャワーを熱いお湯で浴びた。そのままバスルームのドアを開け放って、暖かくなった空気を部屋に送った。おかげで部屋は少し暖かくなった。やってやったぜ。服以外何も必要ないじゃないか。
・・・しかしタオルが無かったので自然乾燥を待っていたら余計寒くなってしまった。体中濡れてる状態で全裸だったので、死ぬかと思いました。結局バスタブにお湯を溜め、その中に入って朝を待ちました。
二日目
もう僕の必要な物は決まっている。寝袋だ。
僕は寝袋を実家から持ってきた。この日も食事は全部外。アパートに帰ってきて、歯をみがいて寝袋に入って寝ました。とても暖かかったです。着ていた上着をたたんで頭の下に敷いて枕代わりにしました。
三日目
よく考えると食事は外でしてるし、水もシャワーもあるから必要なものはほとんど無い。だけどシャワー浴びたくても拭くものが無かったので、シュマグスカーフを実家から持ってきました。そしてこの日の朝、iPhoneの充電が底をつきました。
四日目
遂に異常が訪れた。体ではなく、服が。服から異臭がしてきたんです。それもそのはず、同じ服を4日続けて着ていたから。僕はこのチャレンジの期間も普通に外に出て生活しなければならなかったので、このままの状態にするわけにはどうしてもいかなかった。
なので、僕はとりあえずパンツを近くの店で買いました。(パンツが一番不快で臭っていたから)そしてシャワーを浴びた後、履き替えて今履いてるパンツをお湯で洗いました。こうすれば下着は2セットで十分ですよね。
五日目
こんどはシャツが異臭を放っていたので、(裏返したりして試行錯誤したけどダメだった)シャツを店で買いました。同じ要領でシャワー浴びるときにお湯で洗いました。
六日目
髭が伸び始めた。そして爪も伸び、その伸びていた爪を引っ掛けて割ってしまい、どうしようもないほど痛かったので、爪切りを実家から持ってきました。
関孫六 ニッパー 爪切り
七日目
靴下が死ぬほど匂い、足の爪の付け根に見たこともない黒いモノが入り込んでいたので、恐怖を感じ、靴下を買いました。
八日目
もうだいぶ慣れてきたし、何かハプニングが無い限り必要な物は無かったので何も買いませんでした。朝早めに起きて外に出て運動をして、帰ってきて筋トレをしてから家を出る。夜に帰ってきて寝るという感じ。
九日目
あまった時間があまりに暇すぎて脳がショートしてしまいそうになったので本を一冊買いました。ちなみに買ったのは村上春樹のスプートニクの恋人。
十日目
夕方まで本の続きを読んでいました。友人が夜帰宅したので、鍵を渡して帰りました。
結論
10日間で必要だったものは
服 iPhone 歯磨きセット 寝袋 爪切り 体を拭くもの 本一冊
でした。
結構面白い結果になりました。特に爪切りなんて、絶対出てこないと思ったけど以外に早い段階でランクインしてきました。本一冊っていうのも人間らしくて面白いですね。本は肉体的では無く精神的に欲したんでしょうね。そしてこの条件でもランクインしてくるiPhoneは本当に凄い。
全体を通して感じたことは服はどうしようもなかったです。人に誰も会わずに外に出ないとかだったら買わなくても良かったと思うのですが、普通に生活しなくてはいけなかったので日本のような国ではかなり難しいのではないでしょうか。
そして10日間だけでも伸びたものを切る、汚れたものを元に戻すという作業に必要な道具やモノは持っておかなければならないようです。
実家からは持ってこなかったけど欲しかったなというものはiPhoneの充電器、Mac、石けん、オリーブオイルくらいでしょうか。これが一年間となるとまた変わってくるんでしょうね。でも10日間だったら結構割り切れるので案外辛くなかったです。
このチャレンジをするきっかけを作ってくれた友人に感謝です。
最後に感想
どれだけ自分がミニマムな生活を出来るかチャレンジしてみたい人は是非やらないで下さい。
やらなきゃ良かったです。笑 いくらできるだけ少なくと言っても必要な物は必要でした。笑
僕は日中普通に外に出て過ごしていましたが、これがずっと家の中にいなければならないとなるとまた話は変わってくると思います。それは物質的にではなく精神的に。ヴィパッサナー瞑想(10日間人と目も合わさず話さず瞑想をするという修行)なども今年行きたいと思っているので、家の中にいなければならないバージョンは後日この瞑想を体験したら記事を書こうと思っています。
コメントさせていただきます。
10日間のシンプルライフ!なかなかできない体験で羨ましいです。
洋服は悩ましいですね。枚数が少ないと消耗の時間も早いですし。
衛生面は気を付けないと皮膚疾患や異臭なども問題も生じますよね。
10日間と年単位やお住まいの地域の気候によって
必要最低限の最低ラインも違うでしょう。
1日目のお風呂で夜を明かす感じがリアル過ぎて吹きました(笑)
一日目は完全に油断してました。本当に死ぬかと思いました。笑
そうなんですよ、赤道付近に住む人々は何年も同じ下着とTシャツだけっていう人もいますし。だけどそれを日本でやろうとしたら無理ですし・・・。難しいです。
水がない地域の人達は服の洗濯などはどうしているんでしょうか、気になるところです。
はじめまして。オイロンと申します。貴重な実体験、興味深く読ませていただきました。
本と爪切りは実際やらないとなかなか出てこない品ですね。面白いですね。
オイロンさん、こんにちは。ありがとうございます。
そうですよね、しかし昔の人はどうやって爪を切っていたのか少し気になります。やはり枝とかで上手くシュシュッっとやっているのでしょうか。笑